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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 198

 だけど、僕はそんな舞香ちゃんの言葉と、様子に…
「あ、もちろん、高校生まで、あ、いや、それ以上もっともっと付き合いたい」
 僕はそんな控え目な舞香ちゃんの想いに感激しながら、そう言ったんだ。

 そして…
 なんて可愛いんだ…
 と、そう感動もしながら、また、強く抱き締め、キスをしていく。

「あ、し、駿くん、あ、ありがとう…
 う、嬉しいわぁ…」

「うん、僕も…舞香ちゃんが好き…」

「し、駿くん…」
 舞香ちゃんはそう囁きながら、涙を零す。

 まだ、葵さんが居なくなってほんの僅か…
 約10日くらいなのに、僕はこうして舞香ちゃんを好きになってしまった。

 なんてズルいんだ…

 なんてヤツなんだ…
 と、自分自身を卑下しながらも…

 でも、目の前にこうして、僕を好きと言ってくれる舞香ちゃんという存在には…

 いや、失踪的に突然居なくなってしまった葵さんは…
 勝てなかったんだ。

 どうしたってリアルな、そして目の前の快感の誘惑には勝てなかった…

 しかも、舞香ちゃんがこんな僕を好きだと言ってくれるのは… 
 葵さんという僕にとってはかけがいのない存在が引き出してくれた魅力だとも分かってはいるんだけども…

 もう僕は舞香ちゃんが大好きになってしまっていた。

 そして僕と舞香ちゃんはこの日を境に、仲良く付き合って、そして…
 愛し合っていったんだ。

「ねぇ駿くん、どこの高校を受験するの?」
 
「え、○○高校かなぁ…」

「え、そんな駿くんだったら△△高校受かるわよぉ」
 と、舞香ちゃんはワンランク上の高校を名前を上げてきた。

「え、でも…」
 実際僕は、優秀な家庭教師であった葵さんが居なくなってしまっていたから、とても自信がなかったんだ。

「ねぇ、じゃあさぁ、これからさぁ、毎日一緒に勉強しましょうよぉ…
 そうすれば毎日会える口実にもなるし…
 それにさぁ…」
 舞香ちゃんはそう言って、僕にキスをしてくる。

 そうなんだ、僕達はあの日からほぼ毎日、お互いのどちらかの家で逢い、こうして愛し合っていたんだ…

「うん…」

「ほらぁ、毎日逢って勉強してさぁ…
 そうしてこうもするのよ…」
 舞香ちゃんはそう囁きながら、僕のを舐めてくる。

「あ、うん…」

「お互いに勉強しながら、出来たらこうするってのはぁ?」





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