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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 そして僕と舞香ちゃんは無事に、いや、見事に、いいや、舞香ちゃんは当たり前に…
 希望の高校に2人共に合格したんだ。

「うわぁ、ヤッタぁ、駿くんすごぉい」

「うん、舞香ちゃんのお陰だよ」

「ううん駿くんが頑張ったからよぉ」

「いや、全部、舞香ちゃんのお陰だよ」
 そうなんだ、全ては舞香ちゃんの飴とムチ作戦の受験勉強のお陰であったんだ。


「これでぇ、一緒に高校通えるわね」

「うん…」

「そ、それに…」

「え…」
 そう、舞香ちゃんの目が急に、妖しい光を放ってきたんだ。

「そ、それに…あ、あのぉ…」

「あ…」

 ドキドキドキドキ…

 僕は、そんな舞香ちゃんの妖しい目の艶を見て急に心が高鳴ってきた…

「それに…で、できる…ね…」

「あ、う、うん」

 そうなんだ…

 僕と舞香ちゃんは、無事に高校に合格したら…

 今までの様な…

 手や口唇の愛撫だけではなく…

 つまり…

 セックスをするという解禁の約束を交わしていたんだ。

「あ…明日…明日でいい?」

「え…」

 ドキドキドキドキドキドキ…

 ついに明日…

「わたしさぁ、アレをさぁ…」

「え、アレ?」

「うんアレよ、今夜中にこっそり用意しておくから、だから…」

 そう舞香ちゃんは以前…

『わたしね、ママのアレの隠し場所知ってるの…』
 そう云っていた。

 アレ…
 つまり、コンドームである。

「無いとヤバいでしょう?」

「うん…」

 そう、それは僕達中学生には切実な問題であったんだ…

「だから明日ね…」

「うん、わかった」

 ついに…

 僕と舞香ちゃんは明日の放課後…

 ひとつに結ばれる…




 
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