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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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「あ、そ、そう、しゅんくん、アレ、アレを付けなきゃ」
 舞香ちゃんはそう呟き、枕元のベッドの備え付けの引き出しから…
 ビニールパッケージに包まれた、いわゆる『コンドーム』を出して、手渡してきた。

「あ、う、うん…」

 うわ、これが…
 僕は初めてコンドームを、いや、まだパッケージに入っているモノを見た。

 本当は、もっとじっくりと舞香ちゃんを弄り、感じさせてからしようかと考えていたのだが…
 いや、セックスHow-toサイトにそう書いてあったから。

 だけど、予想以上早く舞香ちゃんから『挿入れてほしい…』
 って懇願されてしまったんだ。


「破って、中身を出して…」
 そして僕は初めて手にするコンドームのパッケージをボーっと眺めていたら、彼女にそう急かされてしまった。

「うん」

 ビリ…
 慌ててパッケージを破り、中身を出す。

「え、こ、コレが…」

 うわ、ヌルヌルしてる…

 不思議な感じがしたんだ…

 こんなモノ、こんなカタチが役にたつんだ?
 これが初めての感想であった。

「……………」
 だが、僕は、このコンドームをどう付けるのか分からなかった。

 すると…
「うんとねぇ…こうして…あ、うん…こうやってぇ…さぁ、ここをゆっくり引っ張ってぇ…」
 なんと、どう装着していいのか分からずにいた僕を、焦れったそうに舞香ちゃんが装着のアシストを、いや、装着してくれたのだ。

「あ、うん、えっ?」

 え、装着の仕方を知ってるんだ?…
 僕は思わず舞香ちゃんの顔を見る。

「あ、うん、ごめん…
 前に先輩が持ってきて、その時に…」
 舞香ちゃんは僕の心の声が聞こえたかの様に…
 慌てて言ってきた。

「うん、そ、そうなんだ」
 舞香ちゃんは僕の前に付き合っていた先輩の事を云ってきた。

 え、も、もしかして…

 僕はその時、ふと、ある疑問、いや、疑惑が浮かんでしまったんだ…
 



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