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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 30

「わたしがイッたあとにね…
 あのね…」
 どうやら葵さんの心の中は激しく揺れ動いているみたいだ…

「ほら…」
 恥ずかしそうに横を向き…

「ほら、男って出すとさぁ…
 スッと醒める時あるでしょう…」

「あ、は、はい…」

「違うのよ、醒めるって駿くんに対してじゃないよ…
 ほらあの…」

 気持ちが冷静になるっていうあの感じね…

「は、はい…」
 
 僕だって男だから、それはわかるのだが…

 なぜか僕にはそんな極端に醒める感覚は無い、いや、起きていない…

「そう、さっき出した一瞬にね…」

 このままでいいのかなぁ…って

「急にそんな想いが湧いてきたの」

「このままで…って」

「うん、そう、このままで…」

 どういう意味だろう?…

「うーんとねぇ…」
 葵さんは今度は僕に正対し、見つめてくる。

「あのね…
 駿くんの初体験をさぁ…」

 初体験、つまり…

 ファーストキス…

 いわゆる手コキ…

 フェラチオ…

 それらの体験をさぁ…

 このわたしで初体験してしまったでしょう…

「うん…」

「あ、もちろん、わたしも初体験だよ…」

 そうなんだ…

 葵さんもなんだ…

 すっかり舞い上がって、そして夢中で、いや、まるで夢の中にいるみたくて…

 そんなこと考えもしなかった…


「だけどね…
 こんな女オトコのわたしが…
 駿くんの初体験の相手でよかったのかなぁって…
 急に想っちゃって…」

「あ…」

 すると葵さんの目から…

 涙がこぼれ落ちてきた…

「あ、葵さん…」
 

「…ぁ、ご、ごめん…なさい…」

 次から次へと、ポロポロとこぼれ落ちてくる…

 僕は…
 慌てて葵さんを抱き締めた。

「あ…ん…し、しゅ…しゅんくん…」

 なんとなく…

 なんとなく、葵さんの言いたいことがわかったような気がしたのだが…

 どう応えて良いかわからなく…

 ただ…

 ただ、こうして抱き締めるしか、想いつかない…

「…ぁ…しゅんくん…
 だか…ら…ね…
 わたし…で…いいの…かなぁ…って…
 やっ…やっぱり…
 やっぱり…こんな…こと…
 わ、わたし…と…こんなこと…
 しちゃ…いけないって…想ったら…」

 突然…

 この…心臓が…

 暴れだした…の…

 ううん…

 お…怒って…きたの…




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