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バガテル第25番イ短調 (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
35
「ねぇ駿の進路は?」
十二月の初旬…
葵さんと仲良くなってから二カ月半が過ぎていた…
「えっ…」
元々がクラスで中の中の成績だったから…
「近くの公立高校でいいかなって…」
「そうかぁ…」
どうやら葵さんは休学中とはいえ、最終的な進路を決めなくてはならない時期にきていた…
「この前駿が持ってきてくれた進路指導のプリントには未定って書いたんだけどね」
そろそろ…らしい。
「どうしようかなぁ?
どうしたらいいと思う?」
突然、僕に訊いてくる。
「えっ、どうしたらって…」
僕になんか応えようがない。
「お父様のコネでね、私立高校に女として入学するお話しがあるのとね…」
女として、私立にかぁ…
「あとね…」
なんだ?…
「駿と一緒にいたいからもう一年ダブる…」
「えっ、もう一年…」
「うん、もう一年ダブり…
そして駿と一緒に中学三年生を過ごして、一緒に卒業して…」
一緒の高校に入学する…
「い、一緒の…」
その葵さんの話しはまるで現実感が無く…
僕には夢の様な話しに聞こえていた。
だけど…
「ほら、わたしIQ130以上あるじゃない、で、前にその認定も貰ってあって、今の中学校にも報告してあるからさぁ…」
殆ど中学校に通ってなくても卒業させてくれるんだって…
ダブろうが卒業しようが自由なんですって…
笑いながら話してきたのだ。
「そんな認定あるんだ?」
「うん、お父様が色々動いてね
『ギフテッド認定』とか『メンサ入会』とか、よくわからないけど手続きしたからさぁ…」
だから多分、飛び級で大学入学も出来るみたいなのよね…
「と、飛び級…」
本当に葵さんには驚くことばかりなのだ…
そしてそれをシラッと、平然と普通の顔で話してくる。
「でもね、でもね、わたしはね…」
葵さんはそう言いながら僕に抱き付き…
「わたしはね、駿と一緒にいたいの」
そう言ってきた。
「えっ、で、でも…」
もちろん、凄く嬉しい…
嬉しいのだが…
あまりにも葵さんの存在、いや、存在感が凄くて戸惑うばかりなんだ…
そして葵さんと僕は本当に大人と子供レベルに、いや、それ以上に差があるんだ…
「お父様もお母さまもね…」
好きにしていいよ…
「…って、言ってくれているの…」
「ねぇ駿の進路は?」
十二月の初旬…
葵さんと仲良くなってから二カ月半が過ぎていた…
「えっ…」
元々がクラスで中の中の成績だったから…
「近くの公立高校でいいかなって…」
「そうかぁ…」
どうやら葵さんは休学中とはいえ、最終的な進路を決めなくてはならない時期にきていた…
「この前駿が持ってきてくれた進路指導のプリントには未定って書いたんだけどね」
そろそろ…らしい。
「どうしようかなぁ?
どうしたらいいと思う?」
突然、僕に訊いてくる。
「えっ、どうしたらって…」
僕になんか応えようがない。
「お父様のコネでね、私立高校に女として入学するお話しがあるのとね…」
女として、私立にかぁ…
「あとね…」
なんだ?…
「駿と一緒にいたいからもう一年ダブる…」
「えっ、もう一年…」
「うん、もう一年ダブり…
そして駿と一緒に中学三年生を過ごして、一緒に卒業して…」
一緒の高校に入学する…
「い、一緒の…」
その葵さんの話しはまるで現実感が無く…
僕には夢の様な話しに聞こえていた。
だけど…
「ほら、わたしIQ130以上あるじゃない、で、前にその認定も貰ってあって、今の中学校にも報告してあるからさぁ…」
殆ど中学校に通ってなくても卒業させてくれるんだって…
ダブろうが卒業しようが自由なんですって…
笑いながら話してきたのだ。
「そんな認定あるんだ?」
「うん、お父様が色々動いてね
『ギフテッド認定』とか『メンサ入会』とか、よくわからないけど手続きしたからさぁ…」
だから多分、飛び級で大学入学も出来るみたいなのよね…
「と、飛び級…」
本当に葵さんには驚くことばかりなのだ…
そしてそれをシラッと、平然と普通の顔で話してくる。
「でもね、でもね、わたしはね…」
葵さんはそう言いながら僕に抱き付き…
「わたしはね、駿と一緒にいたいの」
そう言ってきた。
「えっ、で、でも…」
もちろん、凄く嬉しい…
嬉しいのだが…
あまりにも葵さんの存在、いや、存在感が凄くて戸惑うばかりなんだ…
そして葵さんと僕は本当に大人と子供レベルに、いや、それ以上に差があるんだ…
「お父様もお母さまもね…」
好きにしていいよ…
「…って、言ってくれているの…」