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第1章 エリーゼのために…

　42


『駿とさぁ、初めて一緒に寝られるね』

『あのさぁ…
　提案があるんだけど…』

『23日までの三日間はお互いにさぁ…
　我慢しておこうよ…』





　そう葵さんは一気に話してきて…

『え、我慢て？』

『もう、やだ、恥ずかしい…』

　禁欲よ…

　23日までの三日間はしないでおくの…

『あ…』

　そういう我慢かぁ…

『でね、23日の夜から…』

　ヤリまくるの…

　そう、葵さんは恥ずかしそうに言ってきたのだ…


『ヤリ…まくる…』

　実は僕は、そんな葵さんの言葉でさえ、興奮し、昂ぶってしまっていた…

　ドキドキ、ウズウズもしてきていた…

　そして、もう一つ…

『初めて一緒に寝られるね…』

　この言葉にも興奮の昂ぶりを感じていた…

　終業式…

　二泊三日のお泊まり…

　三日間、ほぼ一緒に居られる…

　堪らない…


　そして僕は学校から帰宅し、急ぎ準備をして向かう…

　お屋敷の脇に差し掛かると…

　いつもの様に、美しい
『エリーゼのために…』の調べが聞こえてきた…

　その美しいピアノの旋律は…

　まるで…

　僕に…

　早く来い…
　と、誘っている様であった。