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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 43

「駿、いらっしゃい」
 いつもの様に庭のリビング側から、葵さんのピアノを弾いている姿を確認しながら家に上がる。

「なんか今日のピアノはいつもより力強く聞こえたような?」

「だってぇ、駿が待ち遠しくてさぁ、ついハイテンションになっちゃったからぁ…」

 実は…
 最近の葵さんは『エリーゼのために…』ばかりではなく、様々なピアノ曲を弾くようになっていた。

 そして僕は『エリーゼのために…』しか曲名が分からないし、ましてやピアノ曲の事なんてさっぱりなんだけど…

 最近は緩やかで、穏やかで、優しい…
 そんなイメージの曲を弾いている事が多い…
 と、感じていた。

『きっとねぇ、駿の優しい存在感とさぁ…
 愛のお陰かなぁ…』

 前に訊いた時にそう言った…

『この心が穏やかに喜んでいるということよ…』
 とも言っていた。

 葵さんの心…

 つまり、意思を持った…

 移植された心臓が…

 穏やかに、優しく、安定している…

 そういうことらしい…


「そうそう駿、成績は?」

「あっ、うん…
 凄く上がったんだ…」

 中学二年生の全体人数は約200人…

 そして僕の成績は200人中…

 なんと、40番台まで急上昇したのである…

「この前までは100番台前後だったから…」

「うわぁ、駿、凄いじゃない」

「葵さんのお陰だよ」

 そう、全ては天才葵さんの家庭教師の飴とムチのお陰なんだ…

「ううん、駿が頑張ったからよ」

「そんな…」

「じゃあ、ご褒美あげなくちゃね」

 ご褒美…

 急にズキズキと昂ぶってきてしまう…

「う、うん…」

「だけどぉ…」

 まぁだぁ夜までガマンね…


「え、夜まで?」

「うん、夜までね…」

 だってさぁ、そのためにさぁ、この三日間我慢したんじゃん…

 葵さんは少し恥ずかし気に…
 そう言ってきた。

 三日間の我慢…

 それは以外に辛かった…

 いつものように帰り道に葵さん宅に寄り…

 いつものように勉強をし…

 いつものようにキスをし…

 そして…

 それ以上はガマンだった…

 そういつもは…

 キスから昂まり…

 お互いを愛し、愛し合っていたのだが、ガマンだったから…

 夜の、一人の自慰もガマンだったから…

 意外に…

 本当に…

 辛かったのだ…



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