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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 葵さんは…

 やはり本当は、女性なんじゃないのか?…

 だんだんとカラダも女性化していくのではないのか?…

 そんな錯覚をしてしまう程に…

 美しく、ますます魅力的になっていた…

 その位に…

 今夜の、いや、今夜は特に魅惑的であった…


「もぉ、駿、今夜、なんか変だよぉ」

「え、いや、そんなことは…」

「ううん、そんなことあるから」

 なんとなくボーッとしてさぁ…

「え、あ、そうかなぁ?」

「うん、そう…」

 やはり、葵さんには何でも分かってしまうみたいだ…

「あ、うん…、じ、実はさぁ…」

 今夜の葵さんが…

 あまりにも綺麗過ぎて…

 美し過ぎて…

 魅惑的過ぎて…

「本当は…
 女の人なんじゃないのかなぁ…ってドキドキしちゃってて…」

 僕はどうせバレてしまうから、本当の想いを伝えた…

「あら、まぁ…」

 すると、そんな僕の想いを聞いた葵さんは満面に笑みを浮かべ…

 いや、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべ…

「もう、駿…
 そんな嬉しい言葉言ってぇ…」

 ありがとう…

 そう囁き、僕にキスしてくる。

「あ…」

「凄く…嬉しいわ…」

 でもね…

 葵さんはそう囁きながら、僕の手を取り…

「部屋に…行きましょう…」

 そう、誘ってきた…

 そして…

「駿、電気消して…」

 部屋が暗くなった…

 すると窓から、冬の、蒼い月明かりが差し込み…

 葵さんを美しく照らしてきた…


「ほら…駿…」

 見て…

 葵さんは、そんな月明かりに照らされながら…

 着ていたワンピースをフワっと脱ぎ…


「あ、あ、葵さん…」

 そして…

 裸になった…






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