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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 56

 葵さんにしゃぶられると、溶けて、融けて、無くなってしまうくらいに感じるから大好きなんだ…

 それだけで十分にひとつに繫がっているみたいだし、いや、繫がっているから…
 愛しているから十分なんだ。


 そして僕と葵さんはその後もう一度ずつ愛し合い…
 
「…………」

「…………」

 いつの間にかに寝落ちしてしまった。 


「……うぅ…はぁ……」
 ふと、目が覚めた。

 あれ?…

 目を開けると見知らぬ天井が目に入り…
 一瞬、違和感を感じたのだが…

「駿…おはよう…」

 隣に葵さんがいた。


 あ、そうだ、僕は昨夜…

 快感に融けながら…

 寝落ちしたんだ…


「初めて一緒に寝ちゃったね…」
 すると葵さんは、嬉しそうな笑顔を浮かべて、そう囁いてくる。

「う、うん…」

 そして僕はドキドキしてきてしまう…

 だって…

 葵さんだって寝起きの筈なのに…

 すごく爽やかで…

 綺麗だから…

「はぁぁ、幸せぇ…
 一緒に寝るって気持ちいいんだねぇ」
 すると葵さんは囁きながら、抱き付いてきた。

「う、うん、あっ…」

 そう…
 僕と葵さんは裸であったのだ。

 お互いに裸で寝落ちしてしまったみたい…

 そして…

「あっ…」

「うふ、駿たらぁ…
 また、カチカチだわぁ…」

 僕は…

 朝勃ちをしていた…

「あ、う、うん、いやぁ…」

「元気ね…」

 恥ずかしかった…

 でも…

「あん、や、ん」

 でも、手を伸ばすと…

 葵さんも朝勃ちをしていた…

「もぉ、駿のバカぁ」

「す、すいません」

「う、う…ん…」

 葵さんも恥ずかしそう…

 そして…

「ねぇ………する?」

「え、あ……い、いや…」

 恥ずかしそうに訊いてきたから…

「よ、夜まで…我慢します」
 と、応える。


「うん、そうねぇ、そうよねぇ…
 今夜はクリスマスイブだもんねぇ…」
 そう囁きながら、キスをしてきた。


 そうだ…

 今夜はクリスマスイブだ…

 僕が初めて…

 大好きな人と迎える…

 クリスマスイブなんだ…

 大好きな葵さんと…


 時刻は午前9時を過ぎていた…

「駿、お腹空いたでしょう?」

「あ、はい」

「何か、朝食作るわね」

 今日も楽しく幸せなクリスマスイブになりそうだ…




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