この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
バガテル第25番イ短調 (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
62
葵さんへのクリスマスプレゼントをどうしようか…
それを悩みながら、親に頼まれて近所の全国チェーンのドラッグストアに買い物に行った。
その時、僕の目に化粧品販売コーナーが、真っ先に目に入ってきた…
そしてその特設販売コーナーにいる美容部員のお姉さんと目が合ったのだ。
「あら、いらっしゃいませ…
彼女へのプレゼントかなぁ?」
そしてそのお姉さんはそう声を掛けてきた。
「あ…は、はい…」
思わず返事をしてしまう…
「彼女さんは同級生かな?」
「あ、いや、じ、17歳…です…」
「え…あら、年上の彼女さんなんたぁ…
素敵ねぇ…」
お姉さんは、どう見ても中学生2、3年生にしか見えない僕のそんな応えに少し驚いた感じではあったのだが…
「じゃあさぁ、これはどうかなぁ…
新発売のウチのイチオシのルージュ…」
優しい口調で云ってきた。
「ルージュ?…」
「あ、口紅よ、ルージュ…」
あ、そうなんだ…
僕は本当に、そんなことさえ知らない。
「お値段も手頃だしぃ、どうかなぁ?」
「あ、はい、じゃ、お、お願いします」
ドキドキしていた…
そして口紅、ルージュって聞いた瞬間に、葵さんのあのいつもの柔らかい唇の感触が蘇ってきたのだ。
「うーん、どれが?…あ、でも、わからないよねぇ?
うーんとねぇ…」
美容部員のお姉さんは独り言のように呟きながら、何本かの口紅を物色していた。
「あ、そうだ、これ、これはどうかなぁ?…」
突然、お姉さんは笑みを浮かべながら、そう云って、僕の顔を見ながら…
自分の唇を指差したのだ。
「これ、この色、新色の『艶々ピンク』っていうの…
これはどうかなぁ?…」
もっとドキドキしてしまう…
綺麗に化粧された、美人系の美容部員のお姉さんの、その艶々な、柔らかそうな唇を見つめ…
そして、その優しいピンク色、そして艶々な潤いに…
あぁ、葵さんにも塗って欲しい…
そう、心から思った。
「あ、じゃ、それください…」
…そんな経緯で買ったのである。
そして葵さんは…
「そうなんだ…
駿、ありがとうね、すっごく嬉しいわ…」
やはり、そんな僕の回想を瞬時に読み取ったかのように囁き…
僕にキスをしてきた。
「ありがとう…駿、大好きよ…」
「あ、う、うん…」
葵さんへのクリスマスプレゼントをどうしようか…
それを悩みながら、親に頼まれて近所の全国チェーンのドラッグストアに買い物に行った。
その時、僕の目に化粧品販売コーナーが、真っ先に目に入ってきた…
そしてその特設販売コーナーにいる美容部員のお姉さんと目が合ったのだ。
「あら、いらっしゃいませ…
彼女へのプレゼントかなぁ?」
そしてそのお姉さんはそう声を掛けてきた。
「あ…は、はい…」
思わず返事をしてしまう…
「彼女さんは同級生かな?」
「あ、いや、じ、17歳…です…」
「え…あら、年上の彼女さんなんたぁ…
素敵ねぇ…」
お姉さんは、どう見ても中学生2、3年生にしか見えない僕のそんな応えに少し驚いた感じではあったのだが…
「じゃあさぁ、これはどうかなぁ…
新発売のウチのイチオシのルージュ…」
優しい口調で云ってきた。
「ルージュ?…」
「あ、口紅よ、ルージュ…」
あ、そうなんだ…
僕は本当に、そんなことさえ知らない。
「お値段も手頃だしぃ、どうかなぁ?」
「あ、はい、じゃ、お、お願いします」
ドキドキしていた…
そして口紅、ルージュって聞いた瞬間に、葵さんのあのいつもの柔らかい唇の感触が蘇ってきたのだ。
「うーん、どれが?…あ、でも、わからないよねぇ?
うーんとねぇ…」
美容部員のお姉さんは独り言のように呟きながら、何本かの口紅を物色していた。
「あ、そうだ、これ、これはどうかなぁ?…」
突然、お姉さんは笑みを浮かべながら、そう云って、僕の顔を見ながら…
自分の唇を指差したのだ。
「これ、この色、新色の『艶々ピンク』っていうの…
これはどうかなぁ?…」
もっとドキドキしてしまう…
綺麗に化粧された、美人系の美容部員のお姉さんの、その艶々な、柔らかそうな唇を見つめ…
そして、その優しいピンク色、そして艶々な潤いに…
あぁ、葵さんにも塗って欲しい…
そう、心から思った。
「あ、じゃ、それください…」
…そんな経緯で買ったのである。
そして葵さんは…
「そうなんだ…
駿、ありがとうね、すっごく嬉しいわ…」
やはり、そんな僕の回想を瞬時に読み取ったかのように囁き…
僕にキスをしてきた。
「ありがとう…駿、大好きよ…」
「あ、う、うん…」