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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 75

「はぁん、や…ん…」

 そして僕はその快感に…
 まるで女の子になったみたいな声で、喘ぎを漏らしてしまった。
 

「しゅん、感じるの?」

「あぁ、は、はい…」

 そうストッキングの上から舐められるのが、物凄く感じるんだ…
 きっとノーパンでストッキングを穿いたから、そのナイロン繊維のザラザラ感が舌先の唾液のヌメリと相成って物凄く感じてくるみたいであった。

「そうなんだぁ、そんなに感じるんだぁ?」

 ジュパ、チュル、チュルル…

「は、ぁぁぁん…」
 すると葵さんは余計に舌先を使って舐めてくる。

 僕は思わず喘ぎ、首を振り、ふと目を開くと…

 鏡に…

 スカートの中に顔を突っ込まれて喘いでいる…
 ボーイッシュな女の子が映っていた。

 あっ…

 それが、その姿が…

 なんていやらしいんだ…

 そしてその喘いでいる自分の顔が…
 
 逆に映って…

 まるで自分の顔には見えず…

 なんてかわいいんだ…

 と、ドキドキと昂ぶってしまう。

「はうっ」
 そして葵さんはスカートの中で舌先だけではなく、指先でも弄ってきた。

 もう昨夜から何度イッたのだろう?…

 何度、射精したのだろう?…

 でも僕は、また、射精感がすっかり昂ぶってきてしまう。

「あん、まだ、ダメだよ…」
 すると、僕の射精感を素早く察知した葵さんが、スッと愛撫を止めてスカートから顔を出してきた。

 そして…

「あぁ、しゅんてばぁ、今ぁ、見とれてたんでしょう?」
 僕の顔の位置と鏡の位置を素早く確認し、そう言ってくる。

「えっ、あ、い、いや…」

 ドキドキしてしまう…
 本当に葵さんには何でも分かってしまうんだ。

 いや、絶対に隠せないんだ…

「やだぁ、ダメだよ、わたしが一番なんだからぁ」

「え、あ、はい、もちろんです」

「えぇ、そうかなぁ…」

「はい、もちろん葵さんが一番…」

 もしも、万が一、他人がこの場面を見て、会話を聞いたならば、不思議で変に思うのだろうが…

「もぉ、しゅんてばぁ、本当にそのくらいにかわいいんだからね…」

 わたし、本当にヤキモチ焼いてるんだからぁ…
 と、あり得ない様な言葉を言ってくる。

「え、そ、そんな、葵さんの方が…」

 そう葵さんの方が全然…

 ずっとずうっと、何倍も綺麗なのに…

「違うわよ」


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