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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 7

 僕は夜…

『女で男…』と、検索する。

「ああっ」

 すると…

 ゲイ…
 女装…
 女装子…
 女装美少年…
 レズビアン…
 LGBT…
 等々、驚くほど沢山の検索結果が出てきた。

 うわぁ、こんなにあるんだ…

 じゃあ、葵さんは、何なんだ?…

 色々、検索に検索を重ねたのだが、よくわからなかった。


 ただ、一つわかっていることは…

 葵さんは女性に勝る程に…

 美しかった…


 そしてその夜…

 僕は何度も、何度も、もう勃たなくなる程、自慰をした…

 いや、出しても出しても、なかなか治まりがつかなかったのだ。

 初めてのキス…

 唇の感触…

 柔らかい舌先の感触…

 甘い唾液…

 そして、初めて他人に握られたチンポの感触と快感…

 昂ぶりと疼きが、魔法の如くに、全然治まらなかったのであった…

 そして…

 またしたい…

 また葵さんに会いたい…

 例え男であっても…

 また…

 葵さんに会いたい…

 そんな心の想いの衝動が昂ぶってしまい、消えなかった。

 いや、もしかしたら、あの固かった感触は僕の間違いで…

 ホントは葵さんは女に違いない…

 その証拠に母親は葵さんがスカートを履いているのには何も触れていなかったじゃないか…

 あ、いや、でも…
 僕の固くなったチンポを触ってきて…

『あら…駿くんも…こんなに…』
 って云ってきた…

 あんなに綺麗なのに、やっぱり男なのだろうか?…

 もう僕の頭の中は、葵さんのことでいっぱいになってしまっていた。


『またすぐに来て…』

『ビアノの音が聞こえていたら、わたしはここに居るから…』

 あの僕の去り際に、後ろから聞こえてきた葵さんの声も、ぐるぐると巡っていた…

 ああ、葵さん…

 ヤバい、眠れない…

 僕の心は、まるで魔法に掛かってしまったみたいに…

 葵さんを求めて…
 
 疼き…

 昂ぶってしまっていた…





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