この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花狂い
第6章 菜摘
体に注がれた時 菜摘が悲鳴を上げ
高島に抱き着き
菜摘は 体を離し 高島の横に体を寄せ
・・・うふ・・・と言いながら
「 ここ思い出の場所なの 」
青い空に 雲が漂うのを見ながら
菜摘は高校三年の時
当時付き合っていた彼が
免許を取りドライブで来た処と話す
「 彼に 体許した初めての場所 」
「 私の 初めての場所・・・」
言い重ね
「 初めて 不倫した思い出の場所に成った 」
と悲しげに言いながら高島の胸に顔を乗せた
「 昨日 背中触られた時・・・」
「 課長と 此処で抱き合ってるのが見えて 」
「 思わず 誘ってしまったの 」
「 主人と 此れでお相子 」
と呟いた
起き上がり バスケットからサンドイッチを出して
高島に進め 体を起こし 明るい日差しの街並みを見る
眼下の道路を 時折車が走るのを見ながら
菜摘の持ってきたサンドイッチを食べ
菜摘の言葉を聞いていた
眼下の草が 風の流れを教えるのを
見ながら高島が横に成る
菜摘は 高島の腕に頭を乗せ
横になり青い空を見つめていた
「 弱いわよね 女って・・・・」
「 主人の浮気 判ってて我慢しなければ いけないから 」
「 離婚も 有るけど主人 子供育てられないし 」
「 私の 収入では子供の進学制限されるでしょう 」
と高島を見る
高島が見つめ返すと 菜摘の目に涙が浮かんでいた
かすれた声で
「 良いの・・・・」
と呟き 空に目を向け
「 今日だけ・・・・」
と呟き
「 今日だけ・・・ 」
小さな声で言い重ねた