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花狂い
第6章 菜摘

体に注がれた時 菜摘が悲鳴を上げ
高島に抱き着き

菜摘は 体を離し 高島の横に体を寄せ

・・・うふ・・・と言いながら

「 ここ思い出の場所なの 」

青い空に 雲が漂うのを見ながら
菜摘は高校三年の時
当時付き合っていた彼が
免許を取りドライブで来た処と話す 

「 彼に 体許した初めての場所 」

「 私の 初めての場所・・・」
言い重ね

「 初めて 不倫した思い出の場所に成った 」
と悲しげに言いながら高島の胸に顔を乗せた 

「 昨日 背中触られた時・・・」

「 課長と 此処で抱き合ってるのが見えて 」

「 思わず 誘ってしまったの 」

「 主人と 此れでお相子 」
と呟いた 

起き上がり バスケットからサンドイッチを出して
高島に進め 体を起こし 明るい日差しの街並みを見る
眼下の道路を 時折車が走るのを見ながら
菜摘の持ってきたサンドイッチを食べ
菜摘の言葉を聞いていた 

眼下の草が 風の流れを教えるのを
見ながら高島が横に成る 
菜摘は 高島の腕に頭を乗せ
横になり青い空を見つめていた

「 弱いわよね 女って・・・・」 

「 主人の浮気 判ってて我慢しなければ いけないから 」

「 離婚も 有るけど主人 子供育てられないし 」

「 私の 収入では子供の進学制限されるでしょう 」
と高島を見る

高島が見つめ返すと 菜摘の目に涙が浮かんでいた 
かすれた声で

「 良いの・・・・」
と呟き 空に目を向け

「 今日だけ・・・・」
と呟き

「 今日だけ・・・ 」
小さな声で言い重ねた
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