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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第5章 『未亡人の奥様の白鳥様』
『あの…、美幸さん、
家…、上がらせて貰っても?』
言葉での返事は無かったが、ぎゅううと
その腕が僕の身体に縋り付いて来て。
助けを求めている…様にも…感じたから。
家から5メートル程の距離ではあるが。
履物も履かずに飛び出して来た
美幸の身体を抱き上げると、
そのまま美幸を抱き上げたままで、
美幸の家に茂木は入って行った。
玄関の上り口に、美幸を降ろして。
茂木が内側から玄関の鍵をガチャっと落とした。
『今日は、たまたま…この近くに
用事がありまして、今月は…白鳥様からの、
ご予約のご連絡が…ありませんでしたから。
僕は美幸さんに飽きられてしまったのか…と
そう、心配してたんですけど…、
その顔を見てると僕に…飽きたと
言う感じでなくて安心しました』
そう茂木が言っても、美幸は黙り込んだままで。
ぎゅっと自分の手を胸の前で握って居て
何かを思い詰めている様子…だった。
『……話を聞くのは…、とりあえず
1回、済んでからにしましょうか?
…そのご様子…でしたら、僕に
その理由を、話したくても
話し辛い…んじゃないですか?美幸さん…も』