この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第24章 『成田景子の夫からの依頼』
『ダメは僕にはないですよ、
髪を乾かせですね?
承知致しましたよ、景子様』
他の面子が帰ったのに、
僕がマンションに帰らずに
残っていたから。
これも自分の夫が
僕に依頼した事だと
いつもの事ながらに、
景子さんの方も分っている様で。
ヘアサロンとかに置いてある
普通のドライヤー5台ぐらい分の
値段のドライヤーで景子の髪を乾かすと。
「折角だから、カーテン開けよ」
景子がリビングの窓のカーテンの
自動開閉のスイッチを押すと、
カーテンが自動で開いて行って。
神戸のベイサイドの景色を
大きな窓から見下ろす事が出来る。
「ね?良い景色でしょ?
ここのこの景色が気に入っちゃったから
前のマンションからこっちに引っ越したの」
『この景色…を毎日見ながら
生活できるなんて…贅沢ですね…』
ぐるぐるとスプーンで
仁が作ったスープをかき混ぜながら。
「これであの人の…がねぇ
毎日元気だったらなぁ~って。
でもね、最近ね…針治療って言うの?
精力減退に効果があるって言う、
施術をしてくれる鍼灸院にお世話に
なってるって言ってたのよ?
私だってね…分かってるんだけど、
言っても…あの人も70代だしね…
毎週とか……するのは
無理だろうなって思うんだけど…」