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  OLのストッキング3  (隣の男の子)
第1章 隣の男の子
 隣の男の子…②

 ヒュー、ガタン、ガタン、ゴン…
 
「ん……」

 深夜、ベランダに干しっ放しの洗濯物が強風に煽られて窓にぶつかっている音で目覚めた…
 いや、目を開けただけ。

 その時、ベランダに人影が…

 だが…
 酔いのせいもありまた意識を、いや、寝落ちした。

 次の朝、洗濯物を取り込むと…

「あ…」

 昨夜ベランダに人影が写って見えた状況が…
 不意に、二日酔いの脳裏に蘇ってきた。

 そうだ、確か…

 ベランダに誰かがいた?…


「あっ」

 すると、干しっ放しだった洗濯物から、二足分のストッキングが無い…
 無くなっていたのだ。


 え、ストッキングだけ?…

 他は…

 ある…

 風に飛ばされた?…

 いや、違う…

 人影が…

 誰かが?…

 でも、ここは15階だし…

「え…、いったい…」


 わたしはそれらを冷静に鑑みる…

 あの人影は隣の部屋の、この高校生の男の子に違いない…

 少しだけ、隣との仕切板をかわしながら、ベランダ越しに手を伸ばせば…

 届く…

 だろう…


 そうか、ストッキングが好きなのか…

 他の下着類も干してあったのに…

 昔の彼氏と同じ嗜好だ…

 そう、一瞬の内に先週のそんな想いが蘇えり…
 急にズキズキと疼きが昂ぶってきた。



「あ…」

 すると、彼が…

「で、伝線…して…る…」
 と、消えいる様な小さな声で呟いた。


「え、あ、ホント、やだわ…」
 わたしは反射的にその呟きに反応してしまう…
 ふくらはぎの後ろ辺りが伝線していた。

 だが心は…

 その彼の不意な呟きの声に、ドキドキしてしまう…


 チン…

 エレベーターが到着した。


「ね、ねぇ…」
 
 そしてわたしは…
 思わず、彼に声を掛けてしまう。

 まるで…

「は、はい…」

 いつもの会社での…

 ように…

「あげようか」

 そう、声を掛けてしまった…


「え…」

「これ、伝線したストッキングをあげようか…」

 それは…

 無意識な言葉であった…

 昂ぶりが…

「ねぇ、欲しい…んでしょう?」

 疼いてくる…


「あ…は、はい…」

 隣の部屋の高校生の男の子は、そう、返事をした…


 もう秋なのだが…

 真夏のような…

 熱い夜が…

 始まる…




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