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千一夜
第54章 第七夜 最終章 真空のゆらぎ
「亮ちゃん、私の話はこれで終わりよ。亮ちゃん、提案があるの」
「提案? どういうことだ?」
「今日はそのために私はここに来たのよ」
「提案だったら電話で済むんじゃないのか?」
「ふふふ、その通りね。でも電話じゃ亮ちゃんに会えないでしょ? だからここまで来てもらったの。冬の京都も悪くないでしょ? それにここだったら誰にも邪魔されずに話ができる」
「……」
 確かに京子の言う通りだ。冬の京都も十分趣がある(なければ観光客は京都に足を向けない)。インバウンド客でごった返す産寧坂には申し訳ないが、もしそこが待ち合わせ場所だったら、重い腰を上げるのに少々時間が係るだろう。
「亮ちゃん、私と旅をしない?」
「旅?」
「そう、旅。私と一緒に旅をしましょう」
「ふざけているのか?」
「ふざけてなんかいないわ。私は真面目よ。日本でも海外でも、好きなところに行く、そう言う提案をしているの」
「断る」
 私は即答した。
「どうして?」
「君は知っているだろう? 俺は結婚しているんだ。咲子という妻がいる。俺は○○市の市長だ。街をほったらかしにして君と旅なんてできるはずがない」
「亮ちゃん、亮ちゃんには悪いけど、あの街は遠山の街よ。市長なんて誰でもいいわ。遠山さえいればあの街は安泰。亮ちゃんだってそう思っているんでしょ?」
「いや、それは違うよ。俺は今そのことを知った。市長ならすべての市民を幸せにしなければならない。一人として置いてきぼりにしてはいけない、とね。その課題に取り組みために俺は全力で働く、働かなければならない。俺は市長だ。市民のために命をかける」
「政治家がみんな亮ちゃんみたいだったら、日本は本当に素晴らしい国になるんでしょうね……、ねぇ亮ちゃん、質問していい?」
「何だ?」
「咲子さんと出会う前に大人になった私と出会っていたら、私のことを好きになってくれた? 妹のようだとかそう言う答えは止めにして」
「……」
「どう?」
「……わからない。ただ一つ言えることは、今俺は咲子を愛している」
「わからない……か。私は亮ちゃんと旅をしたんだけど」
「無理だよ。それより」
「それより沢田絵里さんのこと?」
「ああ」
「黙秘権」
「えっ?」
「亮ちゃん、そのことについて亮ちゃんは何もきかない方がいいわ。亮ちゃんは何も知らない方がいい。でないと」
「生きているのか?」
「……」
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