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千一夜
第63章 第九夜 隣人たちとの狂宴
「あんたほんまに音楽知らんのか?」
元ミュージシャンの店主が、僕が選んだ三枚のレコードを腕組みして見ている。
「はい」
「ほんまか?」
「ほんまです」
「そやったらきかせてもらおか」
「はっ?」
元ミュージシャンは僕に何をきくのだろうか。
「何でこのレコードを選んだんや?」
「何で?」
「これや、これを選んだり理由をきかせてくれ」
元ミュージシャンは一枚のレコードを指した。
「眼鏡を掛けたおじさんが妙に哲学的だったんで」
「哲学?」
「はい」
「哲学か……おもろいな」
「……」
一枚目“PORTRAIT JAZZ”BIL EVANS.。
「じゃあ、これは?」
店主は二枚目のレコードを指した。
「それはジャケ買いというよりタイトルで選びました」
「タイトル?」
「はい、レコードのタイトルです」
二枚目“REINCARNATION”YUMI MATSUTOYA。
「……」
「輪廻転生。何となく京都っていう感じがしたんで」
「輪廻転生が京都?」
「はい」
「はぁ~輪廻転生か」
実はな、一番ききたいのはこれなんや。あんた何でこれ選んだんや?
「うん~ん……、笑わないでくださいね」
「笑わへんがな」
「木にしがみついているおさるさんと目が合ったきがしたんで」
「目が合った? ははは」
「あんた、めっちゃおもろいわ。おにいさんは何してはる人?」
「京都大学の大学院生です」
「京大の学生はんか?」
「あんた関西弁やないな? どこの人?」
「四国の松山です」
「ほう、四国からわざわざ来はったんか?」
「わざわざじゃないですが」
「京大のおにいさん、あなた最高やで」
「最高……ですか?」
褒められたのだろうか。何だか恥ずかしい。
三枚目“一触即発”四人囃子。
「おっちゃんも元ミュージシャンや、この人たちのことはよう知っとる。悔しいけどな、この人たちええ音出しよる。ええ音楽やった。演奏はピカ一や。Mのギターは日本一やで。あんな上手いギタリスト見たことないわ。最高のギタリストやで。一触即発もええけど、おっちゃは“おまつり”が好きやな。あっ、そや。これここで回してええか?」
レコードを回す=レコードをかける。
「もちろん」
僕も“おまつり”を聴いてみたい。
元ミュージシャンの店主が、僕が選んだ三枚のレコードを腕組みして見ている。
「はい」
「ほんまか?」
「ほんまです」
「そやったらきかせてもらおか」
「はっ?」
元ミュージシャンは僕に何をきくのだろうか。
「何でこのレコードを選んだんや?」
「何で?」
「これや、これを選んだり理由をきかせてくれ」
元ミュージシャンは一枚のレコードを指した。
「眼鏡を掛けたおじさんが妙に哲学的だったんで」
「哲学?」
「はい」
「哲学か……おもろいな」
「……」
一枚目“PORTRAIT JAZZ”BIL EVANS.。
「じゃあ、これは?」
店主は二枚目のレコードを指した。
「それはジャケ買いというよりタイトルで選びました」
「タイトル?」
「はい、レコードのタイトルです」
二枚目“REINCARNATION”YUMI MATSUTOYA。
「……」
「輪廻転生。何となく京都っていう感じがしたんで」
「輪廻転生が京都?」
「はい」
「はぁ~輪廻転生か」
実はな、一番ききたいのはこれなんや。あんた何でこれ選んだんや?
「うん~ん……、笑わないでくださいね」
「笑わへんがな」
「木にしがみついているおさるさんと目が合ったきがしたんで」
「目が合った? ははは」
「あんた、めっちゃおもろいわ。おにいさんは何してはる人?」
「京都大学の大学院生です」
「京大の学生はんか?」
「あんた関西弁やないな? どこの人?」
「四国の松山です」
「ほう、四国からわざわざ来はったんか?」
「わざわざじゃないですが」
「京大のおにいさん、あなた最高やで」
「最高……ですか?」
褒められたのだろうか。何だか恥ずかしい。
三枚目“一触即発”四人囃子。
「おっちゃんも元ミュージシャンや、この人たちのことはよう知っとる。悔しいけどな、この人たちええ音出しよる。ええ音楽やった。演奏はピカ一や。Mのギターは日本一やで。あんな上手いギタリスト見たことないわ。最高のギタリストやで。一触即発もええけど、おっちゃは“おまつり”が好きやな。あっ、そや。これここで回してええか?」
レコードを回す=レコードをかける。
「もちろん」
僕も“おまつり”を聴いてみたい。

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