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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

「月が綺麗ですね」
折しも今宵は十六夜だった。紫紺の空を背景に、ほぼ完璧な月が浮かんでいる。月の周囲を取り囲むように星座が煌めいていた。
三月に入ったとはいえ、初旬の夜はまだまだ身を切るような寒さだ。夜気がかすかな花の香りを孕んでいるのは、すぐ外に梅の樹があるからだろう。
窓を開ければ、間近にある樹に愛らしい無数の花がついているのが見える。白梅が夜目にもくっきりと浮かび上がっている。昼間はあどけない少女のようなのに、宵闇に沈んだ様はあたかも色香溢れる大人の女のようだ。
折しも今宵は十六夜だった。紫紺の空を背景に、ほぼ完璧な月が浮かんでいる。月の周囲を取り囲むように星座が煌めいていた。
三月に入ったとはいえ、初旬の夜はまだまだ身を切るような寒さだ。夜気がかすかな花の香りを孕んでいるのは、すぐ外に梅の樹があるからだろう。
窓を開ければ、間近にある樹に愛らしい無数の花がついているのが見える。白梅が夜目にもくっきりと浮かび上がっている。昼間はあどけない少女のようなのに、宵闇に沈んだ様はあたかも色香溢れる大人の女のようだ。

