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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

そう、彼の想い人のように、昼と夜ではまったく別の顔を持っている。
今夜は月が随分と近い。手を伸ばせば届きそうなほどで、表面に刻み込まれた複雑な文様まで見える。大きな月はよく磨き込まれた銀器のようだ。幼い頃、一つ下の弟と二人、王室所有の宝物庫に忍び入って遊んだ想い出がある。
ふとした拍子に賛が陳列棚にぶつかって、大切な宝物を落としてしまった。その際、清国の皇帝から朝鮮王に贈られたという銀器の縁が欠けたのだ。幼い二人は蒼くなった。
今夜は月が随分と近い。手を伸ばせば届きそうなほどで、表面に刻み込まれた複雑な文様まで見える。大きな月はよく磨き込まれた銀器のようだ。幼い頃、一つ下の弟と二人、王室所有の宝物庫に忍び入って遊んだ想い出がある。
ふとした拍子に賛が陳列棚にぶつかって、大切な宝物を落としてしまった。その際、清国の皇帝から朝鮮王に贈られたという銀器の縁が欠けたのだ。幼い二人は蒼くなった。

