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第41章 それぞれの想い

　ホン内官がしゃくり上げながら言った。




「すばらしき王とならるる方を失うのは我が国の損失ではありますが、私にとっては邸下ご自身のお幸せの方が大切です」



「ヨジンも達者で暮らすんだぞ」



「邸下、くれぐれも道中、お気を付けて」



　名残りはつきないけれど、ここで時間を費やしている暇はない。



　誰にも気取られないように宮殿を出なければならないのだ。王と弟への手紙はホン内官に託した。彼が知り合いの内官に頼んで、それぞれに届くように計らってくれるはずだ。