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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

母への文だけは、東宮殿の自室に置いてゆくことにした。何故だか、彼は母が異変に気付いて、早い段階でここへ来るような気がしていた。むろん、何の根拠もない想像にすぎなかった。が、自室の文机に置いておけば、見つけるのに刻は要さないだろう。
仮にも一国の世子逃亡に手を貸したとなれば、ホン内官自身が責任を問われる怖れがある。そのため、賛はホン内官には表に出ず、最後まで世子が知らない間に蓄電したということにするようにと言い含めてあった。むろん、手紙を届ける内官たちにも、誰にも見られないように手紙を眼につく場所に置いて直ちに去るようにと命じていた。
仮にも一国の世子逃亡に手を貸したとなれば、ホン内官自身が責任を問われる怖れがある。そのため、賛はホン内官には表に出ず、最後まで世子が知らない間に蓄電したということにするようにと言い含めてあった。むろん、手紙を届ける内官たちにも、誰にも見られないように手紙を眼につく場所に置いて直ちに去るようにと命じていた。

