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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕

チェソクがつと手を伸ばし、ボクスの手を取った。
「ボクスよう。俺があの夜、お前と出会ったのも何かの縁だろう。俺は亡くなった倅がお前に引き合わせてくれたのだと思っている。だから、もう二度と死ぬなんてことは考えるな」
否、と言えるはずもなかった。ボクス自身、死のうとしたのはあれで二度目だった。最初は龍江に飛び込もうとして、母に止められた。
チェソクとの生活は七年にも及んだ。ボクスは二十三歳になっていた。共に暮らし始めて六年目の春、チェソクが空咳をするようになった。ボクスは心配して医者に行くように言ったけれど、彼は笑っているだけだった。
「ボクスよう。俺があの夜、お前と出会ったのも何かの縁だろう。俺は亡くなった倅がお前に引き合わせてくれたのだと思っている。だから、もう二度と死ぬなんてことは考えるな」
否、と言えるはずもなかった。ボクス自身、死のうとしたのはあれで二度目だった。最初は龍江に飛び込もうとして、母に止められた。
チェソクとの生活は七年にも及んだ。ボクスは二十三歳になっていた。共に暮らし始めて六年目の春、チェソクが空咳をするようになった。ボクスは心配して医者に行くように言ったけれど、彼は笑っているだけだった。

