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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
 数ヶ月後、チェソクは突如、血を吐いて倒れた。ボクスは慌てて医者を呼んだけれど、チェソクは労咳に冒されていた。もう手遅れだと医者は言った。



 更に数ヶ月後、チェソクはボクスに看取られながら旅立った。病が発覚した直後、ボクスは涙目で訴えた。



「何故、俺に知らせてくれなかったんだ」



 医者によれば、チェソクは既に自分が長からぬことを知っていたという。



 チェソクはいつものように穏やかに笑った。



「これでようやっと妻子の許へ旅立てる。俺にとって死は怖いものじゃないのさ」



 病を告げられた時、医者はまだ療養すれば寿命を長らえる希望はあると伝えたが、チェソクは治療を断ったのだ。
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