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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
ボクスは巾着を拾い上げる。持ち重りのする巾着には、確かにボクスが色町の妓房で数日遊び続けられるくらいの金子が詰まっているに違いない。
ボクスは巾着を優男の顔めがけて投げつけた。
「ーッ」
巾着は見事に優男の顔面に命中する。
「こいつ」
優男ののっぺりとした白い顔が怒りの朱に染まった。額には癇性らしく青筋が浮かぶ。
「薄汚れた犬のような分際で、この私に楯突くというのか」
ボクスは鼻でせせら笑った。