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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々

それもあって、これまで沈執事のことも大目に見ていたのだが、時ここ至り、やはり寛大過ぎたかと反省していた。
沈執事はギルソンの祖父の代から崔家に仕えて重用されてきた。いわば古参の使用人であり、ギルソンもまた彼を厚遇してきた。執事としては有能な男で、彼に任せておけば自分は安心して商売に打ち込める。
特に妻のいない彼にとって、屋敷の差配を任せられる執事の存在は貴重だった。それもあって、多少のやり過ぎに対しても眼を瞑っていたというのもある。
だが、今日の件は酷(ひど)かった。沈執事も人の親であれば、三歳児がどれほど大人の手を焼かせるかは心得ているはずなのに、大人げなく怒り散らし、あまつさえ若い母親と頑是無い児に暴力をふるう有り様だ。
沈執事はギルソンの祖父の代から崔家に仕えて重用されてきた。いわば古参の使用人であり、ギルソンもまた彼を厚遇してきた。執事としては有能な男で、彼に任せておけば自分は安心して商売に打ち込める。
特に妻のいない彼にとって、屋敷の差配を任せられる執事の存在は貴重だった。それもあって、多少のやり過ぎに対しても眼を瞑っていたというのもある。
だが、今日の件は酷(ひど)かった。沈執事も人の親であれば、三歳児がどれほど大人の手を焼かせるかは心得ているはずなのに、大人げなく怒り散らし、あまつさえ若い母親と頑是無い児に暴力をふるう有り様だ。

