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背徳のキス
第2章 1話目
「外見史上主義に美声史上主義?初耳なんだが。人魚ってわりとシビアな世界で生きてんの?」
「レヴァイア様...人間界の海には何度も行っていますよね?ご存知かと思っていたのですが....。」
「あー....確かに100回ぐらいは行っているかもしれないけど、ぶっちゃけ人魚に話しかけたのは今日が初めてで....。」
「100回も通い詰めておいて、話しかけたのが今日!?」
「え、そんなに驚く事なの?正体を隠している身としては、別に普通じゃない?下手に嘘吐いて後から取り繕えなくなるよりはマシだろう?」
「まあそうですが...いくら何でも100回も通っておいて....」
「まあまあベローネ、落ち着け。此奴は重度のコミュ障じゃ。多めに見てやれ。でなければ、そもそも人魚を憤慨させる事態等、招いておらぬわ。」
「....僕、もう帰っていいかな?」
ラハブの辛辣な言葉にレヴァイアタンのメンタルは大ダメージを受けたのであった。
「まあ、そんな話はさておき、お主は近いうちにその人魚の元へ誠心誠意謝りに行った方が良さそうじゃ。」
「いやいやいや、二度と来るなって言われているし、僕もうあの音痴な人魚に関わる気は毛頭無いから。」
「お主の心無い言動が、そのマーメイドのトラウマの1つと化すのは最早時間の問題じゃ。謝罪は早いうちに越した方がいい。加えて今後も人魚の宮殿に足を運ぶ予定じゃろう?関わる気は無いと言いながらも、お主の性格からその人魚が気がかりで仕方がなくなるのは目に見えておるわ。違うか?」
「まぁー....そうなんだけどさ....。」
「レヴァイア様、ファイトです!
心から応援しております!(*´ω`*)」
「君達、他人事だからって....。」
レヴァイアタンは、ハァーと重々しい溜息を吐いたのだった。