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第8章 突然の訪問

栞奈は、コーヒーを煎れ、リビングに戻った。

優の隣に座る。

「優さんが大阪に出張中、泥棒に入られたって聞きましたけど、大丈夫でした？」

美和は、わざとらしく栞奈に聞いた。

「えっ？・・・えぇ。」

「怪我とか無くて良かったですね…」

「えぇ…」

栞奈の気持ちは複雑だった、あの時電話に出たのは間違いなく美和だ・・・。

それなのに、わざとらしく心配してる素振りをしている。

少しの間、優と美和が楽しそうに話してるのを、栞奈はただ黙って聞いていた。


しばらくして、美和が

「いけない、長居しちゃったわ、そろそろ帰らないと」

「今日は、こっち泊まり？」

「うん、一応」

「じゃぁ、夕飯食ってけよ」

優の言葉に栞奈は、何も言えなかった、普通なら優に合わせ

夕飯を進めるが、正直帰って欲しかったのかもしれない。

「えぇ、でも泊まるとこまだ、探してないし…」

「そうなのか？明日会社行くんだろう？」

「行くわよ」

栞奈は嫌な予感がした…。

「泊まる所まだ探してないなら、うちに泊まったら？」

「でも・・・」

美和は栞奈の顔を見る…

「栞奈、大丈夫だろ？」

当然、嫌とは言えない…。

「えぇ、うちは構いませんよ…」

「悪いわ、夫婦の邪魔出来ませんし…」

「今更、気を使うなよ」

「奥さま、お言葉に甘えちゃって良いんですか？」

嫌で仕方が無かったが…

「えぇ、何もお構いできませんけど…」

と、作り笑顔で答えた。

「じゃぁ、お世話になっちゃおうかな」

「おう、うちに来るの初めてだろ？ゆっくりしてけよ」

「うん、ありがとう」

こうして、美和は泊まる事になった。