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第14章 展開

仕事を終え、帰宅する。

帰宅すると携帯が鳴った。

相手は和歌子だった。

「どうしたの？」

「栞奈、ごめん…今からうちに来て…」

「何かあったの？」

和歌子の要件は、届いた在庫が合わないという内容だった。

「サンプル品も何点か違うみたいなの…私、最近お店の事分からないから
　栞奈、来てくれない？」

「分かったわ…」

栞奈は家に入らず、すぐにタクシーを拾い和歌子の家に向かった。

「昨日も来たのに…」

亨にメールを送った。

(和歌子に家に行かなきゃイケなくなりました。
　帰ってきたらまた、メールするね)

すぐに亨から着信が入った。

「栞奈、和歌子さんの家って前の家の近くなんじゃないのか？
　大丈夫か？」

「えぇ…昨日も行ったから…大丈夫…」

「何かあったらすぐに電話しろよ…」

「ありがとう」

電話を切り、和歌子の家に向かうまで手帳に目を通し最近入った在庫を確認した。

しばらく走ると、和歌子の家に着いた。

和歌子と仕事をし、ようやく終わった。

「はぁ、久しぶりに仕事した…栞奈ごめんね…何度も来てもらって…
　もう少ししたら保育園に空きがでるから、そうしたら私も出勤出来るから」

「大丈夫よ…気にしないで…でも片付いて良かった」

「そうね…」

少し話、栞奈は和歌子の家を後にした。

大通りまで歩くと、無意識に下を向く…

車が来たので端に寄り、車が通りすぎるのを待った。

しかし、車は栞奈の隣に止まる…。

そして…

「栞奈？？」

優だった…。

栞奈は驚きその場を動けなくなった。

「優…」

気まずい雰囲気が流れ…

「元気だったか？」

「えぇ…優は？」

「元気だったよ…」

「良かった…じゃぁ私行くから…」

立ち去ろうとする栞奈の腕を優は掴んだ。

「少し話しないか？」

「だめよ…」

「少しだけだから…」

栞奈は断りきれず、いつも通ると待ち合わせをしていた喫茶店の中に入った。