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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
 6

「あぁ…堪らない…」
 すっかり、エムの昂ぶりと、ストッキングフェチに高まっているであろう彼が、そう、声音を震わせながら、脚先を、ヒールをうっとりとした目を潤ませながら愛で、呟く。

 彼…
 そう、まだ、わたしたちは、お互いの名前すら知らない...
 彩ちゃんのバーで、お互いに淫靡な想いからのワンナイトの衝動を昂ぶらせ、ビッチとエムという性癖嗜好を同期させての、このホテルでの逢瀬であるから。

 つまり、名前なんていらないのだ…

 わたしには、復活しつつあるビッチの衝動を、ストッキングラブという性癖嗜好が満足さえすればいいし…

 きっと彼だって…
『Bitch』というバーの名前に、もしかしたら自らのエム嗜好が満たされるかもしれない…
 そんな微かな希望を持ってのわたしとの遭遇であるはずなのだから。

 それには名前なんてヤボなモノは必要ない…


 彼の唇が、舌先が、ゆっくりとヒール周りから、脛へと這い上がっては、また、再び、下がってくる…
 わたしは、早く、もうすぐにでも、爪先を愛でて欲しいという、フェチ衝動に駆られているのだか…
 だからこそ、彼の、このゆっくりとした愛撫が、焦らしに感じてしまい…
 更に強く、疼かせていた。

「あ、あぁ、んん………」
 それは、約二ヶ月振りの昂ぶりには…
 堪らなく、そう喘ぎを漏らしてしまう。

 だが彼は、また、再び、ゆっくりと、じっくりとヒールに唇を戻し、愛でてくる…
 わたしは、早く、爪先を…
 いや、もう、ストッキングラブの嗜好の昂ぶりに、限界を感じていた。

 これでもし…
 もし…
 ヒールを脱がされ、その勢いでストッキング脚の爪先を愛でられてしまったなら…

 もう、一気に、イッてしまうだろう……

 この焦らしの昂ぶりが、限界を迎えつつあった。

『ねぇ早く、早く、ヒールを脱がせて、愛してよ…』
 わたしは心の叫びを目に込めて…

 彼を見つめる。

 さあ、早く…

 もう、もう…

「ぁぁ…………」

 奥からの、女の、いや、オンナの…

 ううん…

 ビッチの疼きの昂ぶりに、カラダを震わせ、喘ぎを漏らす。





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