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私と彼らのヒミツな契約
第1章 プロローグ

「……ん」

いつのまにか、泣きながら寝ていたらしい。
起きて、壁にかかった振り子時計を見ると真夜中の2時。
もう、流石にお父様も寝ているだろう。

サアアアァ……

外から梅雨特有のしとしととした雨の音がする。
その雨の音は、私を冷静にさせた。

(私は、ここで…泉光寺家の人間として一生を終えるの?)

好きでもない男と金と会社のために結婚し、男の子が産まれるまで子供を産み続ける。

そんな人生で、いいのだろうか。

「……嫌。」

気付けば口からその言葉がこぼれ出していた。
そうなれば、決まりだ。

私は、この家を出る。
今の時間に出れば誰にも捕まらないだろう。

(お父様。)

これが、あなたへの最初で最後の反抗です。
私はあなたのやり方に従う事は出来ません。
あなたの事は、大嫌いでした。

もうここに戻って来る事は無いような気がして、遺影の中微笑むお母様に手を合わせた。
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