この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater25.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私と彼らのヒミツな契約
第1章 プロローグ
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「……ん」
いつのまにか、泣きながら寝ていたらしい。
起きて、壁にかかった振り子時計を見ると真夜中の2時。
もう、流石にお父様も寝ているだろう。
サアアアァ……
外から梅雨特有のしとしととした雨の音がする。
その雨の音は、私を冷静にさせた。
(私は、ここで…泉光寺家の人間として一生を終えるの?)
好きでもない男と金と会社のために結婚し、男の子が産まれるまで子供を産み続ける。
そんな人生で、いいのだろうか。
「……嫌。」
気付けば口からその言葉がこぼれ出していた。
そうなれば、決まりだ。
私は、この家を出る。
今の時間に出れば誰にも捕まらないだろう。
(お父様。)
これが、あなたへの最初で最後の反抗です。
私はあなたのやり方に従う事は出来ません。
あなたの事は、大嫌いでした。
もうここに戻って来る事は無いような気がして、遺影の中微笑むお母様に手を合わせた。
![](/image/skin/separater25.gif)
![](/image/skin/separater25.gif)