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私と彼らのヒミツな契約
第2章 迷子の羊
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夢を、見ていた。
真っ暗で何もない空間の中、どす黒くねばついた物に延々追いかけられる夢。
ねばついた黒いものは、私に囁く。
「お前は私に逆らえない…」
「私を誰だと思っているんだ…」
「相手は誰でも同じだろう…」
父親の声がねばつく物体から聞こえる。
「嫌、そんな…まって、お父様!!!!」
私を1人の人間として認めて欲しい。
ひたすらその想いで勉強も華道も料理も頑張ってきたのに…
私は、子供を産む機械でしかないの?
黒い影は徐々に迫り、私をどんどん飲みこんでゆく。
「げほっ…ごほっ……」
涙なんか流す暇もなかった。
苦しく、酸素のない密閉空間に私は閉じ込められる。
「誰か…たす…」
助けて、の言葉は口に出来ないままどんどんと意識が薄れてゆく。
その時。
「大丈夫か!?」
知らない男の声がして、私は一気に現実に引きもどされた。
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