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私と彼らのヒミツな契約
第3章 目覚めた羊
「んはっ…」
唇をゆっくり離すと、惜しむかのように銀の糸が私たちの間を繋ぐ。
呆然する私に私を抱きしめるフリをして、彼が素早く囁いた。
「…しばらく付き合って…彼女が帰るまでで良いから…」
(そういう事か…)
彼の彼女のフリをしろ、という事なのだろう。
私は返事代わりに小さく頷くと、「ありがとう」とでも言う様に彼が私の頭をポンポン撫でた。
「ねぇ、一樹…その子誰…?私たち、付き合ってるんだよね…?」
彼女は虚ろな瞳で呟く。
今にも彼女が狂い出すんじゃないかと、私は怖かった。
「俺は、今は彼女を…彩加を、愛しているんだ。」
「その子、彩加…って言うんだ…」
彼女の瞳が私を見つめる。私は震えそうな身体を必死に押さえて彼女を睨み返す。
「…私も、彼を本気で愛しています。あなたには邪魔されたくない。」
「そんな事聞きたくない!!!!!!!!一樹が見てて良いのは私だけよ!!!!!!」
彼女が凄い形相で叫び出す。
最早、手の付けようも無いという感じだ。
「っ…彩加さん、ごめん…身体触るよ…」
彼が私の耳元で囁く。
頷くと、彼の右手が私の胸元に滑りこんできた。