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視線
第2章 悪魔の視線
投稿した後、コメント欄を見るのがなんだか怖かった。
また心ないコメントが書かれてると思うと。

でも見ないとアドバイスも見れない。
だから恐る恐る見ることにした。

「また変質者が見てくるのですね。どうしたらいいのか。一本遅い電車に乗るとなると一限目に間に合わないかもしれないので、一本早く乗るのがいいかなと思います。さすがに別の時間帯に乗るようになったら、相手も追ってこれないと思いますよ。それにしても、主さん側が対策しないといけないなんて本当におかしいことだと思います。でも、ただ見られてるだけだと訴えても相手にされないでしょうね。なかなか難しい。そこが相手の狙いだとしたらなお悪質だと思います」

最近のコメントはちゃんしたアドバイスだった。このコメント主さんのアドバイスの通り、一本早く乗るしか悪魔の視線を避ける方法はないと思っている。

もうコメントだけで私の決心は固まってるから、他のコメントなんて読まなくていい。
でも気づけば二番目のコメントに目を通していた。

「こんばんは。また見られたみたいだね。せっかく乗る車両を変えたのに、無駄な足掻きになったということかな。ところで久しぶりに見られてどうだった。本当は興奮したんじゃないのか? 君の投稿から読み取れるのは、本当は興奮してる自分がいるのを知りながら、それを直視しようしない君の姿だ。素直になった方が君のためだよ。君は今、扉の前に立っているのさ。新しい扉の前にね。そして、その扉を開けたいと本当は思ってるはずだ。でも君は社会の常識や価値観に惑わされて、その扉を開けられないでいる。電車の中でカラダを見られて興奮してしまっている非常識な自分を認められないわけだ。でもね。そんな常識は社会が勝手に作った常識や価値観だよ。見られて不快だと思っているのは、君じゃない。それは社会に合わせようとする紛い物の自分なんだよ。さあ、扉を開けてごらん。きっと、君が思っていなかった興奮を得られるはずだ」

また最後まで読んでしまった。
言ってることが、全くわからなかった。
私の不快感の話がなぜ、社会の話に変わってるのか全然わからない。
女性はいやらしい目で見られることを不快に思ってる。
そういう男性の無遠慮な視線を本当に迷惑に思ってるのに。
それが全然伝わらない。
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