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あなたが好きっ!
第4章 オレンジのキス
明日は学校行事で体育館を使うため、今日は早く部活を切り上げなければいけない。

淳と一緒の帰り道。
いつもなら話が弾むのに…部活での新名の発言のこともあってお互い無言だ。
「あ、夕陽だ…」
声を出したのは私。
「…ほんとだ。きれいだね…」
なんとなく、手も宙に浮いている。
「…公園、寄らない?」

学校の近くにある公園は、街全体が見下ろせる。
「街が…オレンジに染まってる!」
ねぇねぇ淳、と呼びかけた。
「よかった…いつもの麻友に戻った。」
淳は笑顔を浮かべている。
「麻友、ごめんね、不安にさせて…」
「不安?」
「俺、新名に言われて考えてたんだ…でもさ、俺たちは俺たちのペースでいいんだって、そう思えた。」
淳が近づいてくる。
「…麻友、目を閉じて?」
その言葉が意味するものは私でもわかる。
「…麻友の嫌がることはしないよ」
その声に安心してそっと目を閉じる。
そして…
オレンジの光を浴びながら、私たちは初めてキスをした。
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