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吹きたくて、咥えたくて
第1章 0…思い出を追って

「お願いです……何でもします!どんなプレイだって構わない……
だから、これだけは次の作品で使わせてほしいんです……」

 私が差し出した黄色いプラスチックのホイッスル。
それを、監督さんは冷たそうに見つめるだけだった。

「何回わがままを言ってやがる。……作品からしたら、
 そんなもんただの小道具だ。胸に挟まった肉棒をイメージさせるだけのな」

「私はこれを吹いてるとこをみんなに見てもらいたくって、
 臭いを感じてもらいたくって、それでグラビアやってたのに……
 お願いです!!枕されたってかまわないから、これだけはかなえさせ……」

「うるせえ。……もう我慢の限界だ。今回の事は事務所に言う。
 俺が決める権利はないが、まあ向こうも意見は同じだろ。帰れ」

……次の日、私、汐見めいりは所属していたグラビア事務所を解雇された。
黄色いホイッスルを握りしめて、ずっと涙を流しながら、
ただ家に帰ったのを今でも覚えている。
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