この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
吹きたくて、咥えたくて
第1章 0…思い出を追って
「お願いです……何でもします!どんなプレイだって構わない……
だから、これだけは次の作品で使わせてほしいんです……」
私が差し出した黄色いプラスチックのホイッスル。
それを、監督さんは冷たそうに見つめるだけだった。
「何回わがままを言ってやがる。……作品からしたら、
そんなもんただの小道具だ。胸に挟まった肉棒をイメージさせるだけのな」
「私はこれを吹いてるとこをみんなに見てもらいたくって、
臭いを感じてもらいたくって、それでグラビアやってたのに……
お願いです!!枕されたってかまわないから、これだけはかなえさせ……」
「うるせえ。……もう我慢の限界だ。今回の事は事務所に言う。
俺が決める権利はないが、まあ向こうも意見は同じだろ。帰れ」
……次の日、私、汐見めいりは所属していたグラビア事務所を解雇された。
黄色いホイッスルを握りしめて、ずっと涙を流しながら、
ただ家に帰ったのを今でも覚えている。