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第56章 色欲の虜 立花美伽

　要老人の脳裏には、今でも鮮烈にその光景が焼き付いて居た！おもて向きには山王会と風組が手打ち和解、と体裁を整えたが事実は全く違う…。

　山王会会長は後に引退、要の直上組織は解散と去れたが経緯を知る枝の要組預かりと成った…。
　其れが十年前の事、思わぬ形で結果的には要老人の復讐を風組が果たす結果と成った訳だが！

　完全に引退出来無いのは、要陽一が事実を知る数少ない生残りだからだった…。
　最大組織が武闘派とは言え、一団体組織の風組に事実上降伏したなど絶対に口に出せる筈が無いのが理由だ！

　よく世間一般に風組を例え、鬼も泣いて逃げ出すと云われるのは誰も詳細を語る事が出来無いからだった…。
　あの事が在ってから七年後、山王会が総力を挙げ捜索の結果、風組の一人息子風祭仁が帰国を迎えた！

　もし亡くなってたなら、一体如何なっていたかと考えると背筋が凍りつく仁君は今１６歳かぁ…
　要も漸く無事に引退、妻が亡くなりブラリ各地を気ままに巡り脚の怪我が元で此処に居る！

　要老人は屋上で、空を見上げ涙して居た…
[この年に成っても、儂は屑の儘だった…😭]娘には会って無い、悲しませるだけだから…。

　なのにぃ…儂はあの娘に、酷い事を…(¬_¬)💧３０歳近くに成るであろう娘の事を思うと、後悔する要老人…。
　その時、煙草を咥えた龍が[何を黄昏れてんだ、爺様？]
要老人｢うるせぇ〜小僧、お前こそ如何したんだ？あの娘の様子は、如何なんだ！？｣

　龍[あの女なら、スゲ〜潮吹のイキッパだよ❣]なら、如何して尚更此処に来たんだ？
[あの女自分で逝く時、男の名前呼ぶから虎に任せたよ！]
　老人｢そんな事、普段気にもしないのにか？他にも理由が有るみたいだなぁ〜🎵｣

　龍[うるせぇ〜よ、爺様こそらしく無い顔してたぞ！]
老人｢儂か…クズは死んだら治るかな何てな…🤣、ところであの娘の男は何て名前だったんだ？｣

　龍[あゝ〜仁、仁、ごめんねって、五月蝿くて！]
要老人｢まさかな…😱💧｣紙コップの珈琲を持つ手が震え、止まらない名字を聞いて紙コップを床に落した.ᐟ

　龍[女が名を呼び叫んだ時、赤松さんが目を覚まし風祭仁の名を未だ口にするのかって激怒してさぁ〜そんで、シラケて出て来たんだけど…爺様如何した顔が真っ青だ！？]