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第1章 夏休み～夏海～

その日もいつものように暑い日だった。

お母さんから散々言われた「節約」の言葉に、私は35度にも達するんじゃないかというこの暑さの中、扇風機とうちわ１つで過ごさせられていた。

「夏海ー！」

自分を呼ぶ声に窓から顔を出すと、玄関先で春樹がコンビニの袋をぶんぶん振り回しながら私に手を振っている。

「アイス食おー！」

「今行くー！」

私は出しっぱなしになっていた手付かずの宿題を持つと、涼しい場所と食べ物を求めて隣の家へと駆け込んだ。