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幼遊戯
第4章 夏休み~春樹~
「んな簡単に試すとか言うなよな~」

俺はバイブを持ったままへなへなとしゃがみこんだ。

そこまで言うからには処女であることには違いないんだろう。

だけどあんなあっさりヤっていいって言われるとマジで夏海の今後が心配になる。

変なヤツに騙されたりしないかな、とか。

うまくまるめこまれたりして、ヤられたりしないかな、とか。

「……簡単じゃない」

「夏海……?」

「私だってするのはさすがに怖いよ?他の子から話聞いたらみんな痛かったっていうし。でも春樹に私の初めてが玩具だって思われるくらいなら……」

「……待て待て待て。もしかして夏海、俺のこと好きなの?」

「……は?今さら何言ってんの?確かに最初は興味本意でそういうことしてたけどさ。普通好きじゃなきゃあんなことしないし、させないでしょ」

「じゃあ言えよな~」

「そんなこと言うけど春樹だって言ってないじゃん!」

いやいや、俺はいいんだよ。

その前に隆弘の時で分かるだろうが。

っつうかヤバイ。

夏海の顔見れねえ。

しゃがんだまま顔を隠す俺の前に夏海も座り込む。

「……する?」

首を傾げて夏海が俺に問う。

「……今日はしねえよ」

俺はそう言いながらくしゃくしゃと生乾きの夏海の髪を弄る。

したくないって言ったら嘘になるけど、焦ったって夏海の恐怖心を煽るだけだ。

夏海が俺のことを好きだって分かっただけで、今の俺は十分満たされていた。

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