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幼遊戯
第5章 冬休み~春樹~
寒さ本番まではまだあと少しのこの季節、皆さんはいかがお過ごしですか?

俺は今、天国と地獄の狭間にいます。

「いらっしゃいませー!」

時はクリスマスイブ。

辺りを見回せばカップルがうじゃうじゃと街を歩いている。

その中でバイト中の夏海。

夏海はミニスカートのサンタの格好で接客をしていて、これは天国に値する。

そしてその横で同じように

「いらっしゃいませー!」

そう声を張り上げるのは、俺、ではなく、このケーキ屋の店長だ。

夏海の遠い親戚にあたるというこの店長は、身内の特権をフルに生かし23日24日と夏海を一日中拘束している。

で、ここら辺が地獄。

ミニスカートから伸びる白い足をちらちらと盗み見る店長に、その視線にノーガードな夏海。

つか、ジャージを下に履け!

そう言いたくなるほどスカートが短い。

女の子は下半身冷やしちゃいけねえんだぞ。

そう心の中で呟いてみるものの、負け犬の遠吠えにしか聞こえない。

俺はジーパンのポケットに手を突っ込みスイッチを入れた。

「っ!」

夏海の体がびくっと跳ねる。

すぐにきょろきょろと辺りを見回し俺を探すものの、行き交う人が多すぎてなかなか見つけられないようだ。

足をモジモジさせながら徐々にスイッチの入っていく夏海を俺は複雑な想いで眺めていた。



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