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幼遊戯
第8章 冬休み~隆弘~
そろそろ大丈夫かな。

そう思うものの、最後まですることに実はまだ迷っていた。

汗ばむ遥香の額に貼り付いた髪をかきあげる。

遥香が気持ち良さそうに目を細めた。

「今日はもうこのまま寝るか?」

優しくそう聞いたのに、遥香は一瞬で泣きそうになる。

「やだ。最後までするって言ったじゃん」

「まぁ、そうなんだけど」

「……けど、何?」

「初めての時くらいもうちょっといい場所でー、とかさ」

結構真面目に言ったのに、遥香は目をぱちくりと開いた後、声を押し殺して笑いやがった。

「隆弘って意外にロマンチストなんだね」

「意外にとかマジで失礼だろ」

「いいじゃん、ふふ、ちょっと嬉しい」

そう言って目を細くする遥香が愛しくて、かっこつけたことをちょっとだけ後悔した。

「じゃあさ、私がしてあげよっか」

「……は?」

「は、じゃなくて。私も隆弘にしたいなーって」

いやいやいや、何言い出すんだこいつは。



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