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狙われた美人妻〜魔辱の姦計
第4章 夫への苛立ち
「お子さんですか?」
鮫島の視線は長男に向けられていた。
「え?え、ええ。そうです」
母親の足にしがみついている我が子は、大勢の知らない大人たちから注目を浴びて怯えているようだ。
「ほら健人。ご挨拶しなさい」
「…こんにちは」
小さな手で志津香のスカートの生地を握りしめ、可愛らしい声で挨拶した。
「こんにちは。健人くん。おじさんたちはお父さんの友だちなんだよ」
(友だちですって?)
鮫島のその言葉に違和感を覚えたものの、無論、志津香はなにも言わない。曖昧な笑顔を浮かべていた。
「パパのお友だち?」
「そうだよ。よろしくね。男の子は母親に似るらしい。健人くんもお母さんに似て美男子ですね。志津香さん」
「…あ…その…ありがとうございます」
いきなり名を呼ばれ、一瞬、返事が遅れた。鮫島の視線が彼女のからだを舐めるように見る。男の目がその刹那、欲望の色に染まる。しかし子どもに気を取られていた人妻は、そんな目で見られたことに気づいていない。
初対面の鮫島よりも、彼女は氷川の存在が気になって仕方がなかった。かつての恋人である志津香に気づいている目をしているのに、無言で彼女を見つめているだけだ。
こんな場所で過去の終わった関係を氷川に蒸し返して欲しいのでは決して無いけれど、なんのリアクションもないのは不気味に感じた。
結局、志津香だけが彼らに何度も頭を下げて、その場は解散になった。
病院から自宅への帰路。志津香が運転する軽自動車の助手席でも、夫の隼人はうなだれたままだ。
(なんでわたしばかりが謝らないといけないの?)
不甲斐ない夫への不満を募らせていた彼女は、隼人を無視した。だから事故の様子はどうだったのか、事故を起こした責任は、罪は問われるのか?等々、夫に会ったら聞かなくてはと思っていた疑問は、苛立たしい気持ちに紛れてしまい、なにも聞かなかった。
鮫島の視線は長男に向けられていた。
「え?え、ええ。そうです」
母親の足にしがみついている我が子は、大勢の知らない大人たちから注目を浴びて怯えているようだ。
「ほら健人。ご挨拶しなさい」
「…こんにちは」
小さな手で志津香のスカートの生地を握りしめ、可愛らしい声で挨拶した。
「こんにちは。健人くん。おじさんたちはお父さんの友だちなんだよ」
(友だちですって?)
鮫島のその言葉に違和感を覚えたものの、無論、志津香はなにも言わない。曖昧な笑顔を浮かべていた。
「パパのお友だち?」
「そうだよ。よろしくね。男の子は母親に似るらしい。健人くんもお母さんに似て美男子ですね。志津香さん」
「…あ…その…ありがとうございます」
いきなり名を呼ばれ、一瞬、返事が遅れた。鮫島の視線が彼女のからだを舐めるように見る。男の目がその刹那、欲望の色に染まる。しかし子どもに気を取られていた人妻は、そんな目で見られたことに気づいていない。
初対面の鮫島よりも、彼女は氷川の存在が気になって仕方がなかった。かつての恋人である志津香に気づいている目をしているのに、無言で彼女を見つめているだけだ。
こんな場所で過去の終わった関係を氷川に蒸し返して欲しいのでは決して無いけれど、なんのリアクションもないのは不気味に感じた。
結局、志津香だけが彼らに何度も頭を下げて、その場は解散になった。
病院から自宅への帰路。志津香が運転する軽自動車の助手席でも、夫の隼人はうなだれたままだ。
(なんでわたしばかりが謝らないといけないの?)
不甲斐ない夫への不満を募らせていた彼女は、隼人を無視した。だから事故の様子はどうだったのか、事故を起こした責任は、罪は問われるのか?等々、夫に会ったら聞かなくてはと思っていた疑問は、苛立たしい気持ちに紛れてしまい、なにも聞かなかった。