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狙われた美人妻〜魔辱の姦計
第2章 美しき人妻の憂鬱
息子を連れて急いで自宅へ戻った志津香は、手早く外出用の服に着替えた。夫の会社の上司たちに会うことを考え、白いブラウスにシンプルなベージュのスカート、足元は黒いローヒールというシ清楚な装いである。上背のあるすらっとした美人の志津香には、そんなシンプルなファッションでもどこか華やいだ雰囲気が漂う。
さっきの電話の様子では、夫は取り乱してはいたが軽傷だけで大事には至らなかったらしい。しかし車に同乗していた上司や取引先の人たちは、程度は不明だが怪我を負ったと夫は言った。いずれにせよ、死傷者が出るほどの大事故ではなさそうだ。
「僕のせいで…ああ、どうしよう。僕のせいで…」
夫は繰り返し、自分のせいだと言っていた。とりあえず入院の必要はないようだ。
鏡に向かって髪を軽く直し、口紅だけを薄く引いた志津香は、キョトンとしている息子を抱き上げて部屋を出た。
マンションの駐車場へ停めてある軽自動車の後部座席に息子を乗せ、運転席に乗り込む。志津香の気が重い理由は夫を気遣う気持ちからではなく、夫の会社の上司たちと顔を合わせなければならないからだ。
夫の隼人と結婚して寿退社するまで、彼女は夫と同じ会社に勤めていた。新卒で大学を出てから就職したその会社で隼人と出会った。いわゆる職場結婚である。
(はあ…あの人たちに会いたくないな)
病院へ向かって車を走らせながら、志津香はため息をついた。
さっきの電話の様子では、夫は取り乱してはいたが軽傷だけで大事には至らなかったらしい。しかし車に同乗していた上司や取引先の人たちは、程度は不明だが怪我を負ったと夫は言った。いずれにせよ、死傷者が出るほどの大事故ではなさそうだ。
「僕のせいで…ああ、どうしよう。僕のせいで…」
夫は繰り返し、自分のせいだと言っていた。とりあえず入院の必要はないようだ。
鏡に向かって髪を軽く直し、口紅だけを薄く引いた志津香は、キョトンとしている息子を抱き上げて部屋を出た。
マンションの駐車場へ停めてある軽自動車の後部座席に息子を乗せ、運転席に乗り込む。志津香の気が重い理由は夫を気遣う気持ちからではなく、夫の会社の上司たちと顔を合わせなければならないからだ。
夫の隼人と結婚して寿退社するまで、彼女は夫と同じ会社に勤めていた。新卒で大学を出てから就職したその会社で隼人と出会った。いわゆる職場結婚である。
(はあ…あの人たちに会いたくないな)
病院へ向かって車を走らせながら、志津香はため息をついた。