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狙われた美人妻〜魔辱の姦計
第3章 よみがえる過去
夫からの電話で知らされた病院へ駆けつけた妻の目に、診察室の前に置かれているソファーに座り、背中を丸めて項垂れている夫の姿が映った。
「あなた…」
呼びかけたら憔悴した顔がこちらを向いた。どこも怪我をしていないようで志津香は安心した。
夫の横には派手な柄のゴルフシャツを着た知らない顔の人物がいた。精悍な顔つきの中年の男だ。腕に包帯を巻き、頬には絆創膏が貼ってある。その人物が志津香を見た。
「申し遅れました。私は本間の妻の志津香と申します」
「…ああ、奥さんですか。僕は彼の上司の、課長の加山です。話しには聞いていたが、お美しい方だ。女優の…ほら、なんでしたっけ、ええと、ああそうだ、山本深月(やまもとみづき)という女優に似ている」
「夫が大変にお世話になっています。このたびは夫のせいで…」
加山に向かって深々と頭を下げた。艶のある真っ直ぐないボブヘアーが彼女の顔を隠し、だから加山の視線が志津香の体をいやらしく這い回るのに気づかない。
(いい女だ。たまらんな)
女にしては背が高い。しかし大柄な体格という印象は受けない。華奢な肩のラインとほっそりしたウエスト。腕も足も長い。胸と腰回りは女らしい優美な曲線を描いている。品のある美しさの中に成熟した大人の女の色香を感じさせる。
美しい人妻が顔を上げたときには、すでに男は内心の欲望を押し隠して、元の平静な顔を取り繕っていた。
「そちらの男の子は?」
「息子です」
「お母さんに似て、利発そうな顔をしている」
「ありがとうございます」
自分の横にくっついている息子に挨拶をさせてから、志津香は夫に向き直った。
「あなた…」
呼びかけたら憔悴した顔がこちらを向いた。どこも怪我をしていないようで志津香は安心した。
夫の横には派手な柄のゴルフシャツを着た知らない顔の人物がいた。精悍な顔つきの中年の男だ。腕に包帯を巻き、頬には絆創膏が貼ってある。その人物が志津香を見た。
「申し遅れました。私は本間の妻の志津香と申します」
「…ああ、奥さんですか。僕は彼の上司の、課長の加山です。話しには聞いていたが、お美しい方だ。女優の…ほら、なんでしたっけ、ええと、ああそうだ、山本深月(やまもとみづき)という女優に似ている」
「夫が大変にお世話になっています。このたびは夫のせいで…」
加山に向かって深々と頭を下げた。艶のある真っ直ぐないボブヘアーが彼女の顔を隠し、だから加山の視線が志津香の体をいやらしく這い回るのに気づかない。
(いい女だ。たまらんな)
女にしては背が高い。しかし大柄な体格という印象は受けない。華奢な肩のラインとほっそりしたウエスト。腕も足も長い。胸と腰回りは女らしい優美な曲線を描いている。品のある美しさの中に成熟した大人の女の色香を感じさせる。
美しい人妻が顔を上げたときには、すでに男は内心の欲望を押し隠して、元の平静な顔を取り繕っていた。
「そちらの男の子は?」
「息子です」
「お母さんに似て、利発そうな顔をしている」
「ありがとうございます」
自分の横にくっついている息子に挨拶をさせてから、志津香は夫に向き直った。