この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
狙われた美人妻〜魔辱の姦計
第3章 よみがえる過去
「それであなた…なにがあったの?」
「…ああ」
「僕から説明しましょう。我々が乗っていたワンボックス車がガードレールに接触したんです」

 まともに話せない夫を見かねたらしい。加山が喋り始めた。

「高速から下道に降りて、しばらく経った頃でした。運転していたご主人が、どうやら居眠りをしたらしい」
「そんな…」
「今日は暑かったですからね。彼もきっと疲れていたのでしょう」
「も、申し訳ございません」

(夫のせいで…)

 動揺した志津香がまた頭を下げた。

「まあ、幸いにして大事故にはならなかったので。ただ…取引先の人たちに怪我を負わせてしまったのがちょっとね」
「…」

 何も言わない夫に苛立ちを覚えながら、無言で頭を下げる。謝罪するしかない。

「それで警察は?」
「事情聴取を終えて帰ったところです」
「そうですか」

 夫は罪に問われるのだろうか。
 事故を起こしたのだから、お咎め無しとは行かないだろう。

「それで、ほかの方は?」
「今、治療を受けています。下島部長が、足の骨にヒビが入ったぐらいで、重傷を負った人間はいませんからご安心ください。奥さん」

 下島という名前を聞いた志津香の顔がかすかに歪む。

「あ、来ました。治療が終わったようです」

 加山の視線の先に、こちらへやって来る三人の男たちがいた。松葉杖をついているのは下島だ。顔を見るのは久しぶりだが間違いない。

 あとの二人が取引先の人物なのだろう。そのうちの一人に志津香は見覚えがあった。それが誰なのかわかった瞬間、志津香はその場に硬直した。

 どうして…あなたが。

 背の高い男だった。百八十センチ以上はある。引き締まった体格の、下島や加山に比べたら若い男性だ。夫と同じぐらいの歳に見えた。

 冷たい印象の整った顔に、細い銀色のフレームのメガネをかけている。メガネの奥のその目が志津香を見ている。その視線に射すくめられた彼女は、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった。

 その男の名は氷川明。志津香が大学生の頃に付き合っていた、かつての恋人だった。
/18ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ