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ネコの運ぶ夢
第1章 捨てネコ
☆☆☆
しっかし、よく食うなぁ・・・。
一人暮らしの男の飯だ。そんなにうまいものでもないだろうに、ネコと名乗ったその女性はガツガツとよく食べた。

鶏肉と卵、ご飯で親子丼
わかめの味噌汁
白菜の塩昆布あえ

すぐできる簡単メニューだ。
ネコはあっという間に親子丼を2人前、味噌汁を3杯、塩昆布あえを作っただけ食べてしまった。お陰で俺は親子丼の上モノの余りでビールを飲む羽目になった。

「ぷはー。ネコは生き返りました!」
女性は満面の笑みで口を拭う。
そりゃそうだろう。それだけ喰えば。

『ネコ』は、端的に言って美人だった。髪はセミロング、均整が取れた目鼻立ちをしている。くりくりとよく動く目が特に印象的だ。年の頃は20代前半くらいだろうか?満足げな笑顔がとても可愛らしい。
こんな娘がなんであんなところで腹をすかせているんだ?一体どんな事情なのやら・・・。

「腹一杯になったんだったら、帰れ・・・よな?」
こんなアラフィフやもめ男の住まいにいていい娘じゃない。深夜12時が近いが、早々に追い出すに限る。
俺が帰るように言うと、ネコは途端に涙ぐみ、べそべそと泣き始めた。

「おい・・な!?・・・おま・・・」
あまりの急な変化についていけない。思わず動揺する。
「ね・・・ネコは・・・捨てられたネコでぇ・・・帰るところがないのです」
「はあ?」

それから30分くらいかけて、水を飲ませたり、なだめたりしてなんとか聞き出したところによると、この女性、名前を「美鈴音子」、音の子と書いて「ネコ」というらしい。
事情は言えないが、家から追い出されてしまい、帰るところがないのだという。お金もなく、身よりもなく、宛もなく歩いた末、うちの前で力尽きて動けなくなったということだった。

やはり警察に・・・と思ったが、音子は「それだけは」と極端に嫌がる。

「ネコは警察に行くと殺されてしまいます・・・!」
と意味不明なことを言う。なんだ?犯罪絡みなのだろうか?

うっすら恐ろしいが、当座、危険はなさそうだし、とりあえず自分が眠いので、追い出すのは明日にするとして、寝ることにした。
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