この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネコの運ぶ夢
第15章 ネコの運ぶ夢
〜The cat in front of the house again〜

【1年後】
また、暑い季節がやってきた。年を追うごとに地球は沸騰していく。このままだと、東京も乾季と雨季の2つの季節になる日も近そうだ。

5月も末。もうすでに夏のような暑い日が続いている。こんなに暑いと、あの日のことを思い出してしまう。

あの日々のこと。

音子がいた。家に帰ると明かりがついていて、一緒に御飯を食べてくれた。
何気ない話ができて、冗談を言って、笑って、同じ布団で寝た。
どこに出かけようかと話し、傍らに寄り添って歩いてくれた。

もう、二度と戻らない日々。お前は「キラキラした宝物」と言ったが、俺にとってもあの日々は何ものにもかえがたいものだった。幸せすぎて夢のようだった。

お前が、音子が運んできてくれた、とびきりの夢。できれば、覚めないでほしかった。

あれから俺はがむしゃらに働いていた。朝霞くんには体調を心配されることも多々あった。だが、そうでもしないと、心のなかにぽっかり空いた穴に落ち込んでしまいそうになる。
家に、帰りたくないのだ。
誰もいない空虚を、できれば見たくないと思ってしまっている。

今日もまた、帰宅が遅くなった。もう、時間は深夜0時に近い。街に白銀の街灯が灯っている。帰りたくないといってもいつかは帰らなければならない。暗い道はなおさら俺の足取りを重くする。

いつもの帰り道。最後の角を曲がる。
/93ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ