この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
誰にも言えない!
第2章 初めての演習室
先生はずっと同じ体勢で
なかなか離れてくれない
「…竹内ー?」
「っあ!はい!」
「聞いてなかっただろ今」
先生が笑いながら言う
「あ、すみません…」
「いや、いいよ
ここの計算が間違ってるだけだから
もう一回ここからやってみ」
そういって先生は
笑顔で頭を軽くぽんっと撫でた
(……っ!)
大きくて温かい手
伊藤先生にはこんな風にドキドキなんてしないのに
(おじいちゃんだからね…)
若いからとかそれだけじゃなくて
文香の言ってた言葉も思い出して
余計に意識してしまう
きっと他の生徒だって
こうやってこの演習室で
先生に教えてもらってるかもしれないのに
自分は何でドキドキしているんだろうと思う
だけどそれと同時に
こうやって私だけではないんだろうと思うと
少し残念がっている自分もいた