この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
誰にも言えない!
第4章 自分に嘘をついて…
それからバスに乗って目的地に向かった
バスでは約15分
その間もいつもどおり他愛のない話をした
カフェの最寄のバス停に到着し
少しの距離を並んで歩く
梅雨の長雨の合間の太陽が照らし
葉っぱの上の水滴がきらきらと輝いていた
カフェに到着して
窓辺の席に通された
店内は落ち着いた雰囲気だ
カップルやお茶を飲む若い女性客が多い
「…俺、バーガーにするよ、七海は?」
「んー、食べたことないから
このパスタにしようかなあ」
お互い注文するものを決めて店員さんを呼ぶ
気さくなお兄さんだ
「このバーガーとこのパスタで」
よしくんが注文してくれた
「今はランチタイムなのでドリンクがつきますが
どちらになさいましょう?」
「じゃあ、俺はカフェオレで」
「かしこまりました、
彼女さんはどちらになさいます?」
(か、彼女?!)
彼女だと言われて顔が一気に熱くなった
よしくんを見ると同じように頬を真っ赤に染めていた
「…あ、じゃあ、この野菜ジュースで…」
しどろもどろになりながら答えた
「かしこまりました、少々お待ちください」
店員さんは微笑んでカウンターへと戻っていった
(彼女だなんて…
カップルに見えるのかな)
周りもカップルらしき人たちが多いから
そう見えても当然なんだろう
二人とも気まずくなってしまう
「…おなか、すいたね・・」
「そ、そうだな…」
和やかな雰囲気の店内には不似合いなほど
二人はぎこちなかった