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誰にも言えない!
第1章 始まりは…
ある日の放課後…
私はその日の数学の問題がわからず
質問に行こうとおじいちゃん先生の元へ向かった
おじいちゃん先生ー伊藤先生ーは
定年も過ぎているからか、
何故か図書室の横にある部屋を使っていた
そのおかげで先生のところにも
行きやすかったし
なんというか、古い本の匂いと
温かくて優しい雰囲気がとても落ち着いた
何より、伊藤先生が本当のおじいちゃんみたいで
大好きだったからよく居座っていた
「そういえば、
竹内のクラスの数学担当、
緒方先生になったね?」
先生は何時ものように
緑茶を入れながら問いかけた
そう。
先生の言う通り
今まで二年間、伊藤先生に数学を教わってきたのに
今年から私たちのクラスがたまたま緒方先生の
担当になってしまった
文香の言うように、
確かに先生はかっこいい
背も高いし優しいし…
最初の授業で名前が分かっちゃったから
先生のところにいく理由もなくなったという訳で、
いつも通り私は伊藤先生の所にいるわけです。
『緒方浩介』
緒方先生の名前だった
まだ少ししか授業受けてないから、
緒方先生、
きっと私の名前なんて
覚えてないんだろうなぁ…
「…けうち、竹内?」
「あっ、はい⁉︎」
「今上の空でしたよ?」
「あ、…ごめんなさい。」
「いや、いいけど、
疲れてるならもう帰ったら?」
「あ、大丈夫です
ぼーっとしてただけだから」
「そう、それならいいけど…」
じゅるじゅるっと
緑茶を二人ですする
ホッとする。
こんな風に包まれるような
優しさが好きなんだよね